OISTの日本人学生
OIST、沖縄科学技術大学院は、沖縄にある大学院のみの大学です。ここの学生は年間300万円(60万円は学費として徴収)の給与を得ながら博士課程を行うことができます。
しかしこんなに条件が良いのに、OISTの日本人学生比率は20%程度と高くはありません。
なぜなのでしょうか?
外国人に税金を使うな?
たまにOISTがテレビに出たりすると、よくこういう批判が出てきます。
「外国人に税金を使うな」
そうかもしれませんね。日本の税金から給料が払われる日本の大学院なのに、日本人学生が20%しかいないと知ったらそう思ってしまうかもしれませんね。
では、なぜ日本人学生が20%しかいないのでしょうか?
外国人優遇?日本人差別?なんらかの力が働いている????
正解は...
全然日本人が受験してくれないから!!
以下の資料を見てください。これは内閣府有識者会議に提出された資料からの引用です。
https://www8.cao.go.jp/okinawa/4/houkoku/houkoku_honbun.pdf
2020年の日本人受験者25人wwwwwwwwww
全志願者中の2%wwwwww
全然受けてねえやん!!!!!!!!
しかも、日本人の合格率は50%程度です。日本人は受かりやすいのに、単純に受験者が少なすぎて日本人学生が全然増えないのです。
なんで日本人が受けないの?
現役OIST学生として自分が受験時に思ったことはこんな感じです。
- 英語
- 大学院で研究室を変更するのが日本ではそこまで一般的ではない
- OISTの入試システムが外国基準なので、日本の大学院入試とは全く異なる
- OISTに余裕で受かるレベルなら、欧米の大学院にも受かる可能性が高い
皮肉なことに、日本人がOISTをあまり受けないのは、その国際性に起因しているのかもしれません。日本の教育システムの元育った普通の日本人は、そのようなシステムには慣れておらず、英語能力の低さも相まって、自分が受けても受からないと思ってしまうのでしょう。しかしながら、研究に対する熱意と少しの英語力があれば結構受かります。
この現状に対してOISTは何かやっているの?
はい。やっています。
上に添付した有識者会議の画像にもあるように、OISTとしても日本人学生を増やしたく思っており、色々と取り組んでいます。
私はOISTの中の人ですが、「日本人をもっと増やしたいけど全然受けてくれない」という声を非常によく聞きます。
1.サイエンスチャレンジ
OISTで一週間の研究体験や英語でのプレゼン、科学者や同世代の仲間との交流などめちゃくちゃ楽しい体験ができるワークショップです。
選考を経て参加者が選ばれるのですが、基本的に日本に在住している人が大半を占めます。これは予算の関係(航空機代金)が大きいとは思いますが、日本人が選ばれやすい現状になっており、主に日本人へのリクルートイベントであると言えるかもしれません。
2.OIST Cafe
OISTの大学院説明会のようなものです。英語の会と日本語の会があります。
コロナ前は頻繁に東京などでの対面開催もあったようですし、今年も行われるようです。
日本人(もしくは日本語話者)のみをターゲットにした大学院説明会が、行われています。
3. 知名度向上
そもそもOISTを知らないと言う日本人も多いため、色々なメディアにできるだけ露出できるように頑張っているようです。
ということで、OISTも日本人学生がもっと欲しいと言っているのです。
日本人、とりあえず受けてくれ!!英語は多分大丈夫や!!